pure



クスクス笑いながらヒロさん言う。


ヒロさんは27歳。


俺らの兄貴的存在。


この人の一言は結構聞くんだ、俺ら。




「見た目なんて関係ないよ?」


凛がカウンターの椅子に座り、乗り出してカズトに言う。


「ほんとに優がひなちゃんを好きだから、だからひなちゃんも優と付き合ってるんだと思う。」


ねっ。とヒロさんに同意を求める。


ヒロさんはやわらかく笑って


「ホント凛はかわいーねぇ。なんでタカなんかと付き合ってんのか・・・」


何それ、俺も本気で凛が好きだっつの


目を細めて俺を見るヒロさん。






そんな話をしていると優がひな連れて出てきた。


「帰るわ。ヒロさんいくら?」


と財布を出して会計をしだす。


「えっ、優君っ、私出すよ!」


と慌てて財布を出そうとするひな。


「ばか、お前はいーよ」


「でもっ」


そんな二人のやり取りを見てヒロさんが


「ひなちゃん?俺優からしか金もらえない。」


そう言って、優から金を受け取るヒロさん。



「ご馳走様でした・・・」


小さく照れながらひなが言う。


それを見てヒロさんがクスっと笑って


「また来てね。3時からあいてるからこの店。」


「はいっまた来ます。」


可愛く笑ったひながヒロさんに言う。


優はスタスタ出口まで歩く。


それを小走りで追いかけるひな。




「じゃねー」


「まったねー」


「ばいばーい!」


凛やマサ、カズトがひなに言う。


ひなは小さく手を振って、外に出た。






ヒロさんがクスっと笑って。


「あいつさっき俺のこと睨んでた。」


ひながヒロさんに笑いかけたとき、ムっとした優の顔、俺も見た。




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