pure
「優さん・・・・」
智久の顔は、何か脱力したような・・・・
気が抜けたような顔だった。
「はぁ・・・探し回ったっつの、なに隠れてんだよ」
コツとグーで軽く頭に当てる。
「すみません・・・」
低い暗い声。
こいつはいつもは声がでかくて、いつも笑ってて。
智久がこんなに凹んでるのは初めてだ・・
「どーしたんだよ」
向かいにあぐらをかいて座る。
ポケットからタバコを取り出してくわえる。
タバコを智久に差し出すと、一本取った。
智久のタバコに火をつけて、自分のタバコにも火をつける。
「・・・・・・」
黙ったまま智久を見る。
しゃべり出すまで。
長い沈黙の後
「もう・・・・・どーでもいいんです。・・・」
それだけぼそっと言った智久の目から涙がこぼれた。
俺は何も言えず、黙っていた。
「俺・・・・・・裏切られたんです・・・」
しばらく黙ったままいた智久がしゃべりだした。
「俺のもんだって思ってたのに・・・・」
智久は下を向いたまま手をギュッと握り締める。
「・・・・・・・・彼女・・・北校のあいつと・・・・浮気・・したんです。」