pure



その日は、智久を家まで送る。


その後、ぼーっと帰り道を歩きながら・・・・





「もしもし?」


ひなに電話をかけた。


「ひな何してた?」


「今?お風呂上がったトコ。」


「そっか・・・」


「どうしたの?」


「・・・・・いや・・・」


「くす、変なの。」


可愛い声が電話から聞こえる。


この声、保存しておこうかなって思うぐらい。


・・・・・変態じゃん・・・・



「めずらしいね、電話。」


「・・・・・そう?」


「そうだよ、いつもメールだもん。」


「・・・・・・・・何か・・声・・・聞きたくなって・・・・」







なんか今スゲー甘いセリフ言ったよな?俺・・・・・・



多分、電話の向こうのひなは真っ赤なんだろうな。




「・・・えっ・・あ、あの・・・」


あせったひなの声が聞こえる。


俺、この声結構好きかも・・・


そんな事思いながら顔がニヤける。


やばい、電話しながらニヤけるって変人じゃんっ


ぱっと腕時計を見る。


もう12時過ぎてる・・・


「じゃ、もう遅いし、切るな。」


「え・・・あ、うん。」


「じゃ、おやすみ。」


「おやすみなさい。」






ひなの声は安心する。



『俺のもんだと思ってたのに・・』



智久と同じように俺も思ってる。




ひなが俺を裏切る分けないって、信じてる。






でも、もし裏切られたら・・・?








智久みたいになるかもな・・・


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