わたし、あなたのこと諦めます。
うぅわぁ………!
可愛い!
あ、もちろん浴衣が!
「似合うじゃないか!可愛いなぁ……紗耶っぽいよ」
「あ、ありがとう!これ、友達が選んでくれたの」
「ほーほー、あ、もしかして瑚晴ちゃんかい?」
あ、そっか。
知ってるんだね
「そうだよ!瑚晴。センスいいよねぇ」
「瑚晴ちゃんにお礼言ったかい?」
「言ったよ!瑚晴は優しいからね。わたしの恩人だし。でも……その瑚晴がね」
「何かあったのかい?」
「へ?………あ、ううん!なんでもないよ!
ちょっと恋愛ごとに悩んでるの」
「ほぅ……恋愛なんて自由なんだよ。なにがあるのかわからないけど、恋愛ってきっと周りをいっぱい巻き込むよね。
おばあちゃんもそうだったんだよ」
「え!?そうなの?おばあちゃん、昔何があったの?」
「ありきたりな話じゃよ。お見合いさせられそうになってね、わたし好きな人がいたから嫌でね、その男性とかけ落ちしちゃってね。大変だったよ」
えー!?
か・け・お・ち!?
マジで!?
「おばあちゃんすごい!」
「そうかい?あははっ、なんか照れるなぁ……!」
「なぁにが照れるなぁ……!よ!」
うわわ!
お母さん!
「照れる事じゃないでしょお母さん?でもまぁ、あたしその話聞いたときははぁ!?ってなったけど、今だったら勇者に思えるかも!」
「あら♡」
「あ、言っとくけど、お父さんがね?」
「ガクッ」
お、おばあちゃん
自分の口でガクッて言っちゃったよ……
「紗耶も何かあったの?まぁ、いいのよ。周りにいっぱい迷惑かけちゃえ!」
お母さんって言ってることめちゃくちゃ
それに、わたしじゃないし!
瑚晴だしー!
「ハハハ……どーも」
迷惑かける……か
よし!
今は夏休みで先輩に会うこともできないから
夏休み明けになるけど
しっかりおとしまえつける!