わたし、あなたのこと諦めます。



「どう?」


「ん~…次」


ちぇっ


ーーーーー


「これは?」



「紗耶っぽくない。次!」


わたしっぽいってなに?


ーーーーー



「今度は?」


「布の面積が多い。次」


布の面積って……


ーーーーー


「………」


もう何も言わない


「………それ!いいよ。可愛い!」


「ほんと?」


「確かに、可愛い」


篠原くんまで……


「ありがと!で、もういい加減教えてよ!なんで服選んでるの?」



「しつこいなぁ……あんたにはわかんないって言ってるのに」


「わかるから!!」



「ははっ!わからないって言うのは口実で、本当の事言ったらいらないとか言いそうだから言わなかっただけ」



いらない……?


あ、まさか


「もうわかっちゃった?ならしょうがないや。それは、明後日のデート用の服」


「デート用の服……って言うかなんで行く事になってんの!?」



「あんた……先のばしにしてても、答え出さなきゃいけないのは変わらないんだよ。それに、どんなに時間が経ったってあんたの気持ちは変わらないんだから」



それは……



「だったらさっさと答え出して、くっついちゃえばいいじゃん」


「そんな簡単に言わないでよ。さっきは篠原くんにいつでも~なんて言っちゃったけど、たぶんあの時は頭が混乱してて。
冷静に考えたらそんな簡単じゃないし」



「そうでしょ。簡単じゃないんだよ。それを藤田は言ってくれたってこと。
それなのに。あんたが先のばしにしたら、藤田が可哀想でしょ!」



……確かに。


わたしの都合で先のばしにしたら、言ってくれた藤田くんは……

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