ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


両手をグッと握りしめて、力一杯抗議した。




「私だって気にしていましたよ!

24にもなって、男の人を知らないのはおかしいのかなって。


でも仕方ないじゃないですか!

結婚してくれる人じゃないと、そういうことはしたくない。

それが私の、変えられないポリシーなんですから!!」




一気にまくし立て、ハァハァと息を乱した。



こんな反論をしている自分が惨めで悔しくて、

怒りながら目が潤んでしまう。




「へぇ……そんなポリシー持ってたのか……なるほどね」



堂浦さんがそう言った。



それから彼はなぜか、スマホを取り出して、

どこかに宛ててメールを打っている。



それが終わると、スーツのポケットにスマホをしまい、

ネクタイを緩めて、くつろぎ体制に入った。



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