ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
向こうの状況は、私には分からないけど、
部長さんが何かを間違えてしまい、薬品が爆発したということなのか?
にょにょ村部長……
生きてるかな?
久遠さんは舌打ちして、スマホをポケットに突っ込んだ。
拘束を解かれても、私は同姿勢で机上に寝そべったまま、動けずにいた。
白衣の裾をひるがえし、会議室を出て行こうとしている彼。
ドアを開けたところで、思い出したように足を止め、私に言った。
「おい、いつまで寝てやがる。
昼休みはとっくに終わってるぞ。
俺は研究開発部に戻るからな。
ったく……忙しいのに、くだらない用事で呼び出すんじゃねぇよ」
彼が出て行き、バタンと扉が閉まった。
会議室に私一人、ポツンと残された。
あんまりだ。
いつまで寝てやがるって……
私を押し倒したのは、自分のくせに。
くだらない用事で呼び出したのも私ではなく、堂浦さん。
苦情なら、あのセクハラ大魔王に言って欲しい。