ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
◇◇◇
夏も終わりに近づき、蒸し暑さから解放されつつあった。
今日は天気の良い休日。
カーテンを開けると、爽やかな朝日が差し込んできた。
久遠さんは私の後から起きてきて、まずはミカコさんに朝の挨拶。
それから頬ずり。
毎朝繰り返されるその光景を、
ダイニングテーブルで珈琲を飲みながら、ぼんやり見ていた。
ミカコさんは頬ずりされて迷惑そうにジタバタしているけど、
いいなぁ……
そう思ってしまう。
出来るものなら、ミカコさんになりたい。
そんな気持ちだ。
ミカコさんと戯れた後、久遠さんは、
「汗かいた」と独り言を呟いて、リビングを出て行った。
バスルームのドアを開ける音がして、シャワーが流れる音も聞こえる。
マイペースのイケメン様は、私に一声かけることなく、どうやら朝シャワーのご様子。