ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
無人だと思った会議室から、話し声が漏れているのだ。
若い男性が2人……
いや、3人か。
笑い声が混ざり楽しそうな様子だが、話しの内容は驚くべきものだった。
「いいね〜。
夏美ちゃん最高じゃ〜ん!
俺っち、発情しちゃうよ〜」
「舌触りが何とも、なまめかしいよね」
「おい、お前ら、俺より先に味わうな。
夏美は、俺が仕込んだ女だぞ?」
ドアノブに手をかけたまま、開けることが出来なかった。
開いたのは、あんぐり開いたお口だけ。
夏美?発情?味わう?
その言葉で私の頭に描き出されたのは、イカガワシイ映像。
私と同じ名前で、見ず知らずの
“夏美ちゃん”が、
会議室の長机に寝かされて、
オオカミ3人に襲われていた。
服を脱がされ、あんなことやそんなことを強要されて……。