ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


言い終わると同時に、唇が重なった。



熱い舌先に唇をこじ開けられ、
すぐに口内へ侵入されてしまう。



彼の胸を押して一応の抵抗を見せたけど、ビクともしない。



後頭部に当てられた手は、髪の毛に潜り込み鷲掴むから、

顔を背けることもできなかった。



彼の舌先が私の口内で、我が物顔に振る舞っていた。



歯列をなぞり、内壁をくすぐり、
舌に絡み付く。



緩急をつけたその動きは、キス経験の乏しい私にも上手いと分かる。



気持ち良かった……。



凄く気持ち良くて、さっきまで怒り心頭だったはずなのに、

されるがままに暴挙を許してしまう。



口内に広がる快感に、頭にぼんやり霞が掛かり、

でも心拍数だけは、振り切れそうなほどに上昇の一途を辿っていた。



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