ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
一緒に……シャワー……?
「えええっ!?
滅相もございません!!」
おかしな敬語で叫び、3メートルも後ずさってしまった。
久遠さんは一体どうしてしまったのか?
私の救出に疲労し過ぎて、変になってしまったのか?
およそ彼の物とは思えぬ発言に、
心臓はバクバク、顔は真っ赤になり、慌ててしまった。
そんな私を残して「そうか」と一言、
久遠さんだけがバスルームに入って行った。
彼のシャワー中、じっとソファーに座って待つことは出来なかった。
落ち着かない気持ちで、高級リビングの中を行ったり来たり、うろついていた。
どうやらここに泊まることは、
決定したみたい。
それは百歩譲っていいとして、
問題は寝る場所だ。
リビングの奥に、ベッドルームに繋がる白いドアが二つあった。
一つ目のドアをそっと開けてみる。
セミダブルのベッドが二つ、間にサイドテーブルを挟んで並んでいた。
一般的なツインベッドの客室を、
豪華にした感じだ。
ブルーを基調とした内装が、落ち着いた雰囲気で素敵だった。