ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
時刻は午前4時になっていた。
もうすぐ朝と言ってもいい時間だが、12月の空はまだ、夜明けの気配がしなかった。
ゆっくりシャワーを浴びて、変になりかけた気分をリセットした。
本日二度目、さっきより高級なバスローブを身に纏い、リビングに戻った。
テーブルには外国銘柄のビールの小瓶が、空の状態で置いてあった。
久遠さんはソファーに座ったまま、眠っている。
どうやら私がシャワーから出てくるのを待っていたようだが、
疲れて眠ってしまったみたい。
待たずにベッドで寝てくれて良かったのに……。
そう思いながら、近づいた。
このままここで寝かせて置くか、
それとも一度起こしてベッドで寝るよう言うべきか、少し迷った。
起こすのは可哀相だけど、ソファーよりベッドの方が体が休まる。
久遠さんはソファーの背もたれに頭をもたれて、
スースーと規則正しい寝息を立てていた。