ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
ベッドの上に座り、一人考え中の私。
今後についてのプランを、独り言のようにブツブツ呟いていると、
すぐ側で舌打ちが聞こえた。
「いい加減にしろ」
と怒られて、また押し倒された。
今度は少し痛い。
私が起き上がれないよう上に乗られ、両手首を押さえ付けられた。
見下ろすイケメンフェイスは、
なぜか不機嫌そう。
「親への挨拶も式場選びも、後回しにしろ。
俺の我慢は限界だ。
これ以上じらす気なら……手荒にバージンを奪うことになるが、いいのか?」
そ、そうだった。
つい思考が先の方まで飛んでしまったが、
今は二人でベッドにいるのだと、
思い出させてもらった。
結婚よりも先にクリアするべきは、脱バージン。
いよいよ今からだと意識した途端に、顔が真っ赤に染まった。
初めては、やっぱり痛いよね?
久遠さん、なるべく優しくお願いします……。