ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
必死に頭を下げ続ける私に返ってきたのは、
拍子抜けする言葉。
「慣れてるから、気にしなくていいにょ〜。
僕の存在、ちっぽけだからいいにょ〜」
にょ〜にょ〜と、語尾がおかしいことが気になったが、
許してもらえてホッとした。
失礼はなはだしい私にお咎めなしなんて、
なんと優しい人なのだろうか。
下げていた頭を上げる私。
部長さんの全身姿を初めて見て、
また驚いた。
椅子からピョンと飛び下りて、
私の前に立った部長さんは……
小さかった。
身長155cmの私が、見下ろしてしまうくらいに。
顔は中年おじさんで、髪の毛も薄いけど、
身長は小学生みたいだった。