ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


堂浦さんは、切れた蛍光灯を床に置いた。



交換用の新しい物を私に渡して、

更にビックリ発言をかましてくれた。




「夏美ちゃんさぁ、

男と同棲してんのに、手を出されないって悔しくないの?」




「は?」




「せっかく可愛い顔してんのに、
もったいない。

もうちっと、色気を身につけた方がいいよ〜?


ストッキングはパンストじゃなくて、ガーターベルトで吊るタイプの奴にして、

パンティも赤いレースとか、黒のTバックとか、色っぽい奴にしなよ。

花柄ピンクって、お子様じゃないんだからさぁ〜」




花柄ピンク……?



そう言われて、やっと気付いた。



私は今、膝丈スカートを履いている。



脚立のてっぺんに立てば、

下にいる彼に、スカートの中を覗かれてしまうのだと。




「キャア!」と叫んで、慌ててスカートを押さえた。



手にしていた新品の蛍光灯を、
またしても落としてしまった。



今度は堂浦さんにキャッチされず、

蛍光灯は床に落ちて、砕け散る。



落ちたのは蛍光灯だけじゃなく、

私も……。



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