ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
久遠さんが机をバンと叩いた。
私に顔を近付け、威嚇する。
「男女平等を訴えて、レディースデイに喜ぶ女はなんなんだ?
あ゙あ゙?」
負けじと私は立ち上がり、
彼の額に自分の額をぶつけて反論する。
「久遠さんは、頭が固すぎます!
お得だから喜んで、何が悪いのですか?
そんなんだから、陰で変人とか言われちゃうんですよ!」
「変人だと?個性と言え!」
私達の初めての喧嘩は、なかなか終わらない。
外勤を終えた三国主任が私を迎えにくるまで、続いたのであった。
――――……