ユキの果て
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「結晶たち、大丈夫なの?」
「委員長……。
んー、あんまり大丈夫じゃないかも」
あれから1週間と少しが過ぎた。
あたしは今だにヒカリと話せずにいる。
さすがに周りにもあたしたちが話さないことに気づかれ、「どうかしたの?」とたびたび訊かれるようになった。
そう、たとえば今みたいに。
「なにがあったのかなんて訊かないけど、結晶はこれでいいの?」
ガタン。
自販機から紙パックのジュースが落ちる。
突然、いちごみるくが飲みたくなった! なんて言うからなんだろうとは思っていたんだけど、この話をするためだったんだ。
「よくはないよ」
「……もしかして、まだ白石くんのことを引きずってるとか言う?」
「っ、」
傍から見ても、そんな風に感じるのかな。
気持ちを落ち着けようと息を吐く。
あたしはホットカルピスにしよう。