ユキの果て
部屋に響く、委員長の「起立」の声。
挨拶を済ませて、そしてあっという間に出て行ったヒカリ。
いつも通りの表情に、あたしの足が固まる。
──声、かけれなかった。
いつも、そばにいた。
ユキがいないことであいた穴は塞がらなかったけど、ヒカリのおかげで目立たなくなった傷。
今度は彼がいないことで傷がつく。
いつの間にか、あたしにとって必要不可欠となっていたものが……ない。
「結晶、行って。
行かなきゃ駄目だよ」
トン、と背を押してくれたのは、委員長。
勢いに乗せられるように1歩、2歩と進む。
「〜〜委員長!
いつもありがとう!」
彼女がいたから、あたしは前に進むことができた。
誰よりも感謝してる。
本当に、最高の委員長で友だちだよ。