銀狼の涙
もう少しでヴァンドル子爵邸へ着くところで、突然馬車が止まった。
「なぜ止めるの―あっ!!」
そこに居たのは、銀狼の群だった。
「ヴィアラ様・・・お逃げくださ―あぁ!!」
一匹の銀狼が、近衛騎士団たちの喉に噛みつき―殺した。
「いやっ・・・!!来ないで・・・!!」
『我らと共に来い・・・ヴィアラ。』
「・・・!!あなたまさか、ロランさまなの・・・?」
『来い。何度も言わせるな。』
「わ、分かったわ。」
ヴィアラは銀狼の背中に乗ると、その場を後にした。