意地悪彼氏の攻略法。
でも、やっぱり幸せな時間なんて長く続かないんだって思い知らされた。
高2になって、付き合って半年くらいが経った頃。
教室に忘れ物を取りにきたあたしは、偶然その会話を聞いてしまった。
「ねぇ、奏多いつになったら、あの子と別れるの~?」
廊下を小走りしていたあたしの足が、その場で止まった。
「なんでそんなこと聞くの?」
「だって、奏多とあの子って全然釣り合ってないじゃん!」
「そうだよ。本命作るなんて、らしくないじゃん」
音を立てずに、ドアの隙間から中を覗きこんだら、あたしの彼氏の奏多と数人の男子と女子が残っていた。
「いい傾向だろ。本命をやっと作ったんだから、お前ら女子も奏多をあんま困らせるなよな」
「うちらと遊ぶ時間減っちゃうから別れてほしいのに~」
「うわ、お前それワガママすぎんだろ」
きゃははと耳につく笑い声。