意地悪彼氏の攻略法。
すぐに別れようとも思った。
本当にショックで、悔しくて。
あたしだけが本気だったなんて、バカみたいって何度も思ったし。
どうせ騙されるなら、このまま別れるより、1年っていう期限付きの付き合いを利用すればいいんじゃないって考えた。
女の子にフラれるなんて、奏多にしてみたら慣れてることかもしれないけど、学校一のイケメンを振った女として記憶にくらい残るでしょ。
だから、今年のクリスマスに去年告白したあの場所で、あたしからこの関係に終止符を打つ。
そんなことを知らない奏多は、いつもみたいに女子たちとニコニコと話してる。
あたしは席をそっと立ち、奏多に近付いた。
「環菜、どうかしたのか? お前が来るなんて珍しいじゃん」
女子が集まってる時は、極力近付かないようにしてるあたしが来たことで、珍しく嬉しそうにする奏多。
この顔だって、演技なんだろうと思いながら、クリスマスのことを聞いてみる。
「今年のクリスマスも一緒に過ごせるかなって思って」
言った途端に、周りにいた子たちの鋭い視線が刺さる。