水平線の彼方に(下)
Act.1 プロローグ
鏡
姉が亡くなったのは、四年前の夏だった。
台風の近づいてる海へサーフィンに行って
高波にのまれて命を失ったーーー…
あの頃、まだ十二歳だった私には、
何が起きたのか
よく理解できない…。
ただ…
姉がもう二度と戻って来ないことと
あの人のことがとても好きだった…という事だけは分かっていた…。
あれから…四度目の夏が来て、
私は夏休みの間だけ…を約束に、
髪に緩いパーマをかけた。
鏡に映る自分の顔が、あの頃の姉と似ていて驚いた…。
残されたアルバムの中の姉は、
十九で時が止まってる。
年の割に童顔で、
男性にモテていた姉…。
でも、姉が好きだったのは
この写真の隣に立っている、“この人”だけ……
事故の二日前、何があったか分からない。
泣きながら帰って来た姉が、部屋に閉じこもり、
何度声をかけても、出てこなかった事しか憶えてない…。
あの日の…
姉になったつもりで問いかけてみたーー…。
お姉ちゃん…
あの日、一体何があったの…
あの人と一体、何があったの……と。
台風の近づいてる海へサーフィンに行って
高波にのまれて命を失ったーーー…
あの頃、まだ十二歳だった私には、
何が起きたのか
よく理解できない…。
ただ…
姉がもう二度と戻って来ないことと
あの人のことがとても好きだった…という事だけは分かっていた…。
あれから…四度目の夏が来て、
私は夏休みの間だけ…を約束に、
髪に緩いパーマをかけた。
鏡に映る自分の顔が、あの頃の姉と似ていて驚いた…。
残されたアルバムの中の姉は、
十九で時が止まってる。
年の割に童顔で、
男性にモテていた姉…。
でも、姉が好きだったのは
この写真の隣に立っている、“この人”だけ……
事故の二日前、何があったか分からない。
泣きながら帰って来た姉が、部屋に閉じこもり、
何度声をかけても、出てこなかった事しか憶えてない…。
あの日の…
姉になったつもりで問いかけてみたーー…。
お姉ちゃん…
あの日、一体何があったの…
あの人と一体、何があったの……と。
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