水平線の彼方に(下)
「告るとか考えたことなかったな…ガキだったし、第一、告った後の気まずさ思ったら、しない方がいいと感じてたし…」
「ふーん…両思いになれるとか思わなかったの?」
「思わねーよ。花穂は人一倍上がり症だし、人見知りはするし、告ったら最後、話できなくなるって分かってたから」
上手く行っても行かなくて、あの頃は今みたいな関係にはなれなかったと思うと、お兄ちゃんは振り返った。
「大人になったら上手く行くって思ったの?」
どういうきっかけで二人が今の関係になったのか知りたかった。
意味深な顔してる。その視線が厳しくて、一瞬、ドキッと胸が鳴った。
「本当は…上手く行きたくなかったんだ……オレも…多分、花穂も…」
そんな言葉を残したまま、語るのをやめた。お兄ちゃんの横顔は、私の心の中に、大きな疑問を投げかけた。
(どういう意味⁈ )
聞けば答えてくれたかもしれない。でも、聞くのをためらった。
何故かと言うと…
「お姉ちゃんが絡んでるから…よね」
似てないようで似てる私に話すのも、話しづらかったんだと思う。
二人が同級生から彼氏と彼女の関係に変わった理由は。
「お姉ちゃん…私はジョーリとこの先どんな関係でいればいい?」
友達。クラスメート。遊び仲間。それとも、彼氏と彼女…⁈
「ヤダな…新学期始まったらどうすれば良いんだろ…」
バイト生活続けてる間は会わずに済む。でも、学校が始まったら毎日顔合わす。
あの告られた教室で…。
「考えただけで緊張する〜…」
私は花穂さんみたいな上がり症でも人見知りでもないけど、やっぱり告られると特別視してしまう。
別にジョーリが好きでも嫌いでもないのに、妙に意識して、好きになってしまいそうになる…。
「こんな性格なんとかしたい…!」
妙な気分になる前の自分達に戻りたい。ただの友達だけでいい。
(ジョーリはなんで私に告ったりしたんだろ。お兄ちゃんみたいに気まずくなったりするって、思わなかったの⁉︎ )
繊細さに欠けるからジョーリだと分かってる。
後先も考えず行動するのが良い所だと分かってる。
(でもでも、やっぱり困る…!)
四日間の休日はクリアできても、長い二学期は自信ない…。
気の重い夏休みが、また始まったーーー。
「ふーん…両思いになれるとか思わなかったの?」
「思わねーよ。花穂は人一倍上がり症だし、人見知りはするし、告ったら最後、話できなくなるって分かってたから」
上手く行っても行かなくて、あの頃は今みたいな関係にはなれなかったと思うと、お兄ちゃんは振り返った。
「大人になったら上手く行くって思ったの?」
どういうきっかけで二人が今の関係になったのか知りたかった。
意味深な顔してる。その視線が厳しくて、一瞬、ドキッと胸が鳴った。
「本当は…上手く行きたくなかったんだ……オレも…多分、花穂も…」
そんな言葉を残したまま、語るのをやめた。お兄ちゃんの横顔は、私の心の中に、大きな疑問を投げかけた。
(どういう意味⁈ )
聞けば答えてくれたかもしれない。でも、聞くのをためらった。
何故かと言うと…
「お姉ちゃんが絡んでるから…よね」
似てないようで似てる私に話すのも、話しづらかったんだと思う。
二人が同級生から彼氏と彼女の関係に変わった理由は。
「お姉ちゃん…私はジョーリとこの先どんな関係でいればいい?」
友達。クラスメート。遊び仲間。それとも、彼氏と彼女…⁈
「ヤダな…新学期始まったらどうすれば良いんだろ…」
バイト生活続けてる間は会わずに済む。でも、学校が始まったら毎日顔合わす。
あの告られた教室で…。
「考えただけで緊張する〜…」
私は花穂さんみたいな上がり症でも人見知りでもないけど、やっぱり告られると特別視してしまう。
別にジョーリが好きでも嫌いでもないのに、妙に意識して、好きになってしまいそうになる…。
「こんな性格なんとかしたい…!」
妙な気分になる前の自分達に戻りたい。ただの友達だけでいい。
(ジョーリはなんで私に告ったりしたんだろ。お兄ちゃんみたいに気まずくなったりするって、思わなかったの⁉︎ )
繊細さに欠けるからジョーリだと分かってる。
後先も考えず行動するのが良い所だと分かってる。
(でもでも、やっぱり困る…!)
四日間の休日はクリアできても、長い二学期は自信ない…。
気の重い夏休みが、また始まったーーー。