水平線の彼方に(下)
夏休み最終日。

『中央図書館に集合!宿題やっつけようぜ!』

ジョーリから流れて来たメッセージ。続々仲間から了解が入る。

『キラリはどうする?』

ジョーリが気にかけてくる。

『行くよ!モチロン!』

返事して家を出た。チャリを漕いで十分足らず。図書館に到着。
集まったいつものメンバーの中に、ニューフェイスが一人いた。

「ハロー!キラリ!」

「芽里…」

細身の身体に大きな目。ストレートのロングヘアをなびかせてる彼女の名前は『砂川芽里(すながわ めり)』
才女で成績優秀。もしかしたら学年で一番かもしれないと噂されてる芽里が、何故ここに…?

(この間から時々LINEにも参加してるけど…なんで突然…?)



「…付き合ってるらしいよ。芽里とジョーリ」

ボソッと教えてくれたのは小学校からの大親友『岸本琉夏(きしもと るか)』こと、ルゥちゃん。

「えっ⁉︎ ウソッ!いつから⁈ 」
「この間、月初めに一回目の宿題会やったでしょ!あの後かららしいよ」

ボソボソ二人で噂話。
確かジョーリが私に告ったのが一学期の最終日で、勉強会が八月の初め、そして今日が夏休み最後の日だから…

(たった四十日間くらいで、もう他の子と付き合ってる⁈ )

私が悩んでる間に、もう他の子に告った⁈

(バ…バカにしてるー…!)

ちょっと頭に来るこの展開。

(悩んでた私の時間返して!ジョーリ!)

少し離れた席から、二人が勉強してるのを眺める。
美人の芽里と並んでるせい(?)ジョーリがやけにカッコ良く見える。

「お似合いだよね二人。どっちも理系得意で競ってる仲だし、自然とそんな感じになったのかもね」

羨ましいな…とルゥちゃんが囁く。
でも、私はちょっと複雑。この間まで、ジョーリの隣は私だったのに…。

(でも待って。考えてみれば友達以上に思えないんだから、これで良くない⁈ジョーリにお似合いの彼女ができたのなら、それで万々歳じゃん…)

頭の中で解決したんだと納得した。
ジョーリの彼女は芽里。成績優秀者同士、お似合いお似合い。

……のはずなのに、宿題を写させて貰いながらチラチラ二人が気になる。
大半は宿題片手にお勉強。でも時々笑い合う。
その度にチクチク痛む胸…。
一体なんで…⁈
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