水平線の彼方に(下)
二学期が始まった教室。
遅刻スレスレで到着したら、クラスメートが集まって来た。

「ちょっと、キラリ聞いた⁈ ジョーリ君のこと!」
「芽里と付き合ってるんだって! 」

「うん…そうらしいね…」

机に向かいながら返事。

「えっ!やっぱそうなの⁉︎」
「 ショック〜!」

女子達がっかり。ジョーリってこんな人気者だった⁈

「じゃあ私が見たの間違いじゃなかったんだね…図書館で芽里がジョーリ君にラブレター渡してたの…」
「きゃあ!それいつの話⁈ 」

盛り上がってくる。噂にロクなの無いけど、その場から逃げるのも変だからいた。

「え…と、八月の初めだったかな。ジョーリ君、図書館で一人で本読んでたの。難しい顔して、カッコ良かったー!」
「あんたの批評はいいよ!それでどうしたの⁈ 」

隣にいたルゥちゃんまで本腰入れて聞きだした。

「そこに芽里が来てさ。最初、なんだか照れてたの、ジョーリ君が。そしたら芽里がラブレター出して渡してた」
「その時のジョーリの様子どんなだった⁈ 」

首突っ込んで聞いた。

「どうって…笑ってたよ。それから二人でコソコソ話してた」

仲良さそうに…って。昨日みたいな感じかな。

「ふぅん…」
「ふぅん…って、キラリ、あんた別にどうも思わないの⁈ あんたとジョーリ君、一番仲良かったじゃない!」
「そうだよ!私達、てっきり二人が付き合ってるのかと思ってたのに…」
「ぶっ!」

吹き出した。

「まさか!そんなワケ無いし…!」

一学期の終わったあの日まで、ジョーリの気持ちも知らずにいたのに…。

「なんだ、そうだったの⁈ だったら私も告れば良かった…玉砕覚悟で…」

あーあ…って、女子達の嘆き。
もしかしてジョーリがこんなに人気があるの知らなかったの私だけ…?

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