水平線の彼方に(下)
「…好きだ」

もう一度言ったジョーリの言葉をとっさに拒否した。
それが災いして、今の結果がある…。


(思えばあの時あんな言い方さえしなければ、こんな状況にならなかったのかな…)

対照的な場所に座ってるジョーリを見て思った。

(私にフラれたから芽里の告白を受け入れた…?)

その可能性は無きにしも非ず。だって、失恋の辛さを紛らすには新しい恋をしろと言うもん。

一ヶ月そこらで次の相手とお付き合い…。
あれだけ人の心かき乱しといて、それはない…。

夏休みに撮った二人の記念写真。
目を丸くしてる私の横で、ジョーリがカッコつけてる。

(私の理想は、こんな二人に戻ること…だったのに…)


寂しさとか面白くないとか、いろんな感情混ぜこぜになってる。
でも決してハッピーじゃない…。

ジョーリと芽里の姿が胸に焼き付いて、モヤモヤして離れない。

恋愛の対象として見てなかったハズのジョーリを芽里に取られた気がして…

大好きなオモチャを取り上げられた子供ような気がして…

ずっと、ずっと、

スッキリしなかった……。
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