透明な君へ

やっぱり……。

崇からの電話といえば、大抵合コンへの誘いだ。


「うぅ〜ん、今日はちょっと……」

『今日は今日はって、いっっつも断るじゃないですか!?今日こそはお願いします!』

「……っていうか、いつも思ってたんだけど、なんで僕なんだよ。これでももう26なんだけど」


合コンて歳じゃないだろ。


『もう26なのに彼女いないじゃないっすか』

「そんな事心配してもらわなくてもいいよ」

『別に心配なんかしてませんけどね』


そう言ってあははと笑う崇。


「じゃあ僕じゃなくてもいいだろ。もっと出会いを求めてる奴誘えよ」

『いえ!先輩に来てもらいますからね!』


だから何でそうなる……。


『いいですか先輩!合コンには必勝法ってのがあるんですよ!』

「はあ……」


ため息混じりに相槌を打ち、そのままベッドに横になる。



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