運命の出会い2
翌日

冬なのにとても天気がいい。
軽く朝食をとり、身支度をする。
11時と言う時間が待ちどうしくて堪らない。
やっと10時半になり、車に乗り込みあさみのマンションに向かう。
部屋の前に立ち、チャイムを鳴らす。
「は〜い」
中からあさみの声がする。
ガチャ
「おはよ」
ピンクのスカートに白のカーデガンに茶色のコート。
とても可愛い今日は眼鏡をかけていない。
「じゃあ行こうか」
車を走らせる。
「お腹空いてる」
「うん、ペコペコ」
「じゃあ、ランチにしよう」
少し走り、海を見渡せるレストランに入った。
「うわ〜すごい景色」
「冬の海もいいだろ」
あさみが微笑む。
これが見たくて誘った様なものだ。
ランチは海の幸がふんだんに使った物を頼んだ。
「ん〜美味しい」
可愛い
食事を終え、外を散歩する事にした。
「寒い((+_+))」
「本当に寒い」
さりげなく手を繋ぐと、抵抗されずあさみの頬が赤く染まる。
「次どこいきたい」
「さとしさんの家」
「えー散らかってるよ」
「いいよ、片付け手伝うよ」
よし決まり
とあさみがいい、しぶしぶ自宅に向かう。

マンションに着き部屋のカギを開ける。
「どうぞ」
「お邪魔しまーす」
中は服で散らかってる。
「片付けるほどでもないか」
あさみは1人で納得した。
俺はあさみの為にココアを入れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
俺はあさみの隣に座る。
「ん、美味しい」
「あさみさんって彼氏とかいるの」
「いない、いたら男の人の部屋に入らないよ」
「そうだよな、じゃあ好きな人は」
あさみは考えながら
「いない」
「そうなんだ〜」
ちょっとホッとした。
「さとしさんはいないの好きな人」
「いるよ」
即答で胸を張る。
「へー、良かったですね」
もしかして、あさみは鈍感
「俺、あさみさんが好きなんだけど…」
「えっ私ですか」
「うん」
「私なんか止めといた方がいいですよ」
あさみは俯く。
「そんな事ない、あさみさんは魅力的だよ」
しばらく沈黙が続く。
「私なんかでいいんですか」
「あさみさんがいい」
「じゃあ付き合う」
「うん」
俺たちは晴れて彼氏彼女になった。

翌日から舞台の本稽古が始まり、日々練習に明け暮れていた。
あさみがいてくれるだけで力が湧く。
4日間の公演はあっという間に終わった。
オフが3日、どう過ごすか迷った。
あさみは1日だけ仕事。

一方、あさみは書類作成に追われていた。
「これコピーお願いします」
スタッフに書類を渡す。
「いたいた、あさみちゃん」
声をした方を見ると、真がやって来た。
「どうしたの」
「仕事が一段落したから寄ってみた。それ報告書」
「そうです。舞台も終わったし、一区切りかな」
「そう、じゃあ頑張って」
その日はてっぺんを越えた。

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