君の世界


正直 僕にとって家柄とか家業とかなんの関係もない。

母さんは病気で亡くなった。

父さんは僕の記憶には朧気にしかいない。

僕の記憶の中の父さんは背中しか覚えていない。


背中には鋭い瞳の龍がいた。


僕はその龍が好きでいつも見せてもらっていた。

父さんの記憶は唯一それだけだった。


世間一般に父さんがどうであろうと、僕にとっては大切で大好きな父さんだったから…


だから幸雄も家とか関係ない。


だって幸雄は幸雄だから…



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