君の世界



「直人を訪ねて来た子はボーイフレンドかな?」

行為を終え直ぐに服を着る僕に真中が聞く。


「幸雄はただの道案内役」

「幸雄っていうんだあの子は…」


「修平ヤキモチ?」


一瞬目が合い直ぐに反らされた。

「体の関係があるのは修平だけだ。抱かれたいと思う男もいないよ。」


真中の性格は見た目と違いかなりなものだ。

以前ただの勘違いで探偵をつけられたことがある。


探偵に気付いて真中を問い詰めると


「直人に本気なんだ!わかってくれ!」


意味不明な理由を述べたので、それ以来僕は不愉快な事をされる前に真中を安心させるように心がけた。

それでも少しづつ距離を置いて関係を切ろうとしていたのに、今回の件でまた戻ったヨリにウンザリする。


「もう帰るのかい?」

名残惜しそうに腕に触れる。

「門限過ぎてるから…マズイんだよ。」


時間は21時を過ぎていた。


「送るよ。」

真中も服を着始めた。


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