君の世界
僕の気持ち



……………


結局いつものように甘い言葉を囁かれ、行為の後で僕はベッドの上でぼんやりしていた。


「何を考えてる?」

真中の真剣な目に少し違和感を感じる。


普段は医者として信用していいのか疑うほどヘラヘラしてるのに…

何も答えず ぼんやりしたままの僕の顔を上げさせキスをおとす。

「幸雄だったかな?彼の事を考えていたんじゃないの?」


その言葉に思わず鼻で笑ってしまう。


「直人の心が拐われそうで…不安なんだよ…直人は誰にもなつかない山猫みたいな子だと思っていたのに…」


初めて僕を見た時に、僕から出ていた全てを拒絶するオーラはちゃんと感じていたようだ。


僕は母と遠い記憶に住む父以外の人は受け入れられない。


しかし山猫とは…



< 57 / 128 >

この作品をシェア

pagetop