君の世界
残る熱と自責の念
結局 何度も抱かれまどろみながら寮に帰った。
『その電話はパトロンからの物だろ?』
『直人…金なら好きなだけやる。俺だけにしろ』
頭の中で響の言葉が回る…
僕はポケットに携帯を二つ入れて玄関でぼんやりしていた。
「直人!どこ行ってたんだよ?心配したんだぞ!」
寮から幸雄が出てきた。
ぼんやり幸雄を見つめ
「お前の兄貴にご馳走になってた…」
そう呟いて部屋に戻る。
幸雄を裏切った。
幸雄を裏切った。
幸雄を裏切った。
何故かそんな思いが頭の中を支配した。
「寝るから…」
僕は逃げるように自室に帰った。
「おい。直人…」
後ろからは幸雄の声が聞こえていた。