君の世界


部屋に戻ると電話が鳴る。

思わずビクッとしながら、真中からの電話だと気付く。


「直人?何してるの?会えないかな?」


軽く誘う真中


「あぁ…いや会わない方がいいよ。今は…」


僕の含みのあるものの言い方を無視してさらに誘う。

「直人は最近ちゃんと病院も来てるから、ご褒美を用意したんだよ?今から迎えに行くからいいね?」


真中が来る。響に抱かれ、自分の心の中身に気付き、幸雄への気持ちと真中との決別に揺らぐ今 会うことは、真中にとってはよくない事になるのに…


「もう少し頭の中を整理してから話をしたかったけど…来るならわかったよ。」


僕は遅かれ早かれ話すべき相手から逃げても仕方ないので、真中を待つことにした。


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