小悪魔的な彼と悲観的な彼女

「へ？じゃなくて。付き合うってそういう事でしょ？好きな人同士が付き合って何が可笑しいの？」

「え？あ…いや、」

「道で偶然出会った事のどこが可笑しい？彼女が恋しくて夜会いに来るのは？好きな人に名前を呼んでもらえなくて悲しく思うのは？全部可笑しい事なのかな」

「そ、それは…」

「全く可笑しな所なんて無いし無理な事はお願いしてないつもりなんだけど。それでもすみれさんは言うんだろうな、可笑しいって」

「……」

「なんでそうなっちゃうんだろうね。まだまだ気持ちが伝わってないのかなぁ、こんなにすみれさんの事を大事に思ってるのに。すみれさんの事で頭が一杯なのに。本当は片時もすみれさんと離れたくないのに」

「！…え、」

「すみれさんの事、好きだよ。だからいつも会いに来ちゃうし、名前だって呼んで欲しいんだ。他の誰でも無い、すみれさんだからだよ」



……あぁ、ダメだ。


やってしまった。