小悪魔的な彼と悲観的な彼女
ーーハッと、我に返った。
そして今の言葉をなぞり、でも?でもって?なんて考え進める暇も無く、近付いてきた彼との距離が無くなった。
あれだけ感じてた遠い距離感が、また一気に近くなる。君と同じ場所になる。身体の外でも…心の中でも。
…あぁそっか。そういう事か。
理解した、そういう事だ。
始めから私達に距離なんて無いんだ。
だって私は、君の物。出会った時、こういう関係になった時、始まりは…それだった。
私は君の物になった。だから私達はこうやって付き合うようになった。
だから君の気持ち一つで、私と君の距離は変わる。
だから今の私達にーー距離なんて無い。
ーー君との距離が、終