小悪魔的な彼と悲観的な彼女
君達って、
「まだ来ないの?奴は」
「うん、もうすぐ着くみたい」
「もうすぐって?いつ?どれくらい?二杯目頂いてもよろしいですか?」
「もちろんです琴乃様」
いつものお店で、いつもの私と琴乃のサシ飲み…と見せかけて、今日はもう一人の参加者がいる。ただいま仕事でちょっぴり遅刻中のその参加者の名前は、
「すみません、遅くなりました」
「あ、拓也君!」
そう、拓也君。どの拓也君ってこの拓也君、私の彼氏の拓也君である。
なぜ彼がこんな所に現れたのかというと、それは遡ること約二週間前。彼が私にある事を尋ねた事がきっかけだった。
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「すみれさんはいつも、会社の人と飲んでるの?」
「え?…いや、違うけど」