小悪魔的な彼と悲観的な彼女


「…おや、もう喧嘩を売り出す季節か。喧嘩始めましたってか」

「ははっ、そんなそんな。喧嘩は売るより売られるタイプです」

「あぁ、そうだよね。生意気な顔してるもんね」

「そういえば似てるって言われましたよ」

「誰に?」

「琴乃さんに」

「…誰が?」

「僕が。ね?すみれさん」

「……」


ーーあれからすっかりお馴染みになった、拓也君の参加。


「あれぇ?すみれちゃん。あれぇ?」

「い、いやぁ、別に顔が似てるとかって訳じゃ…」

「だろうねぇ。で?」

「…あーもうっ、拓也君!」

「というかすみれさんって若い人が好きじゃなかったんだね、知らなかったな」

「えっ?あ、いや、好きじゃないっていうか…なんか苦手で…」

「すみれすみれ、話逸らされてるよ」

「!、…もうっ、なんか忙しい!」

< 124 / 202 >

この作品をシェア

pagetop