小悪魔的な彼と悲観的な彼女
そして毎回二人のパワーに圧倒される、そんな私もここに居ます。…ここは大人の憩いの場。…あれ?憩いはどこに?
「え?すみれさん疲れたの?」
「…いや、疲れたっていうか、」
「大丈夫。琴乃さんの相手は僕に任せて少し休みなよ」
「あれ可笑しいな。まるであたしが疲れの原因みたいに聞こえる」
「?」
「おい、あれ?間違ってる?じゃないでしょうが!白々しく可愛い顔して首傾げてんなこの腹黒!」
「あはは、言葉にしなくても分かってくれましたね。さすが琴乃さん」
「分かるから!てかほぼあんたのせいだから!」
……
目の前で繰り広げられるハイテンポな二人のやり取りに、なんだか私はついていけません。きっと私は生まれ持つテンポが二人とは違うのでしょう。
「…やっぱり似てんじゃん…」
思わずポロリとこぼしてしまった瞬間、ジロリと視線が突き刺さった。あぁ、ちゃんと聞こえてんだね、すごいね、すごい。