小悪魔的な彼と悲観的な彼女


そして毎回二人のパワーに圧倒される、そんな私もここに居ます。…ここは大人の憩いの場。…あれ?憩いはどこに?


「え?すみれさん疲れたの?」

「…いや、疲れたっていうか、」

「大丈夫。琴乃さんの相手は僕に任せて少し休みなよ」

「あれ可笑しいな。まるであたしが疲れの原因みたいに聞こえる」

「?」

「おい、あれ?間違ってる?じゃないでしょうが!白々しく可愛い顔して首傾げてんなこの腹黒!」

「あはは、言葉にしなくても分かってくれましたね。さすが琴乃さん」

「分かるから!てかほぼあんたのせいだから!」


……


目の前で繰り広げられるハイテンポな二人のやり取りに、なんだか私はついていけません。きっと私は生まれ持つテンポが二人とは違うのでしょう。


「…やっぱり似てんじゃん…」


思わずポロリとこぼしてしまった瞬間、ジロリと視線が突き刺さった。あぁ、ちゃんと聞こえてんだね、すごいね、すごい。

< 125 / 202 >

この作品をシェア

pagetop