小悪魔的な彼と悲観的な彼女



ーーなんていう琴乃の言葉に頷いた私達、という所で今日の飲み会は終わりを迎えて、私達はいつものように駅へと向かって歩き出した。


…二人で外食かぁ…

確かにまだ一度も無いなんて可笑しいのかもしれない。でも今まで会ってたのが夜だったし、しかもお互いご飯を済ませちゃってるような時間だし…ていうか私、休日会おうって発想にならなかったな。

さっき拓也君が言ってた通り休みだって合わなかったし、それに有給とってまでして会わなくてもその気になれば毎日でも会えちゃう距離だったから…なんか…そっか。同じマンション、それがいけなかったのかな。


「…すみれさんは、どこに行きたい?」

「え?」

「ご飯だよ。今度行くよね?」

「あ、うん。それはぜひ…なんだけど」

「ん?」

「…うん」


でも…本当に、そうなのかなぁ。その発想って拓也君も同じだったのかなぁ。 そんな事って、あり得るのかなぁ。


「すみれさん?」

「…うん」

< 130 / 202 >

この作品をシェア

pagetop