小悪魔的な彼と悲観的な彼女
私の手を引いて先を歩く拓也君の背中の見たら、なんだか胸がギュッと苦しくなった。
もしかしたら拓也君はわざと私を誘わなかったんじゃ、なんて。
本当はわざと予定を合わせないように…私と外出出来ないように避けてたんじゃないか、なんて。
そんな事が思いついてしまう私はまだ拓也君を信用してないのかな。こんなに優しくしてくれて想いを伝えてくれる拓也君をまだ私は疑ってるのだろうか。
…ダメだそんなの、また拓也君を不安にさせてしまう。そんなのダメだ。
変わりたい、そう思った。もっと前向きに、彼の気持ちをちゃんと受け止めていきたい。じゃないと申し訳無い。彼の気持ちが勿体無い。
よし、これからは私から近づいていくぞ。これからは私が手を引いてあげられるようになるぞ。
そんな風に思った帰り道。そして後日の約束をちゃんとしてーー数日後、本当の本当に二人で外食が現実になった。