小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「嘘じゃないよ、いつも言ってるのになぁ」
「だって若いじゃん!もっと若い子一杯居るじゃん!どうせモテるんだよ、知ってるんだから!」
「別にそんな事無いよ。それに好きな人に好きになって貰わなきゃ意味ないし」
「うわ出た!なんかすごい事言ってる!てゆうか君の好きな人って誰?」
「すみれさんだよ」
「えー可笑しい!絶対嘘!なんで私なの?」
「…さっきも言ったよ、すみれさん」
「……」
…確かにと、気づいた時には時すでに遅し。完全に悪い方向に酔っ払ってる私がここに居た。
「……」
「すみれさん?大丈夫?」
「…うん、大丈夫…ていうか、戻ってきた」
「戻ってきた?…水貰おうか?」
「ううん、大丈夫…ちょっとお手洗いに行ってきます」
そして足早に部屋を出て…あぁ…最悪だ。本当最悪だ。
浮かれてた。なんだかんだ一緒にご飯に来れた事とか、いつもと違う素敵なお店だった事とか、外で見る拓也君はまたいつもと違う気がしてカッコ良いとか、そんなあれこれになんかすごく…私とした事が、浮かれ上がってたな、本当。