小悪魔的な彼と悲観的な彼女


「えっ⁈ そうなんだ、意外だね。接待かと思った」


……はい?


「あ、失礼しました。私拓也君の上司で…彼女さん、年上…ですよね?あの…ただの私の興味なんですけど、おいくつか聞いても良いですか?」

「…29、です」

「わぁ、やっぱり!私同い年なんですよ、なんかそんな感じがして!」

「…そうですか」

「拓也君は仕事が良く出来て、今後を担ううちのエースですよ。もういつも頼ってしまって…あ、別にあれです、浮気とかそういうの無いですから安心して下さいね、私結婚してますし」

「…そうですか」

「でも良かったですよ、拓也君にちゃんと素敵な彼女さんが居て。でもみんな悲しむんだろうな、」

「高部さん、お時間大丈夫なんですか?」


ーーいつも通りに、綺麗な笑顔を浮かべる拓也君。


「あぁそっか。そろそろ戻らないとね、心配しちゃう」


それにニコニコと、機嫌がよさそうに返事をするその人。もしかしたらその人も酔ってるのかもしれない。


「こんなしっかりした女性だし、こんな所だし、接待かと思ったらまさか彼女だもんね、驚いちゃったよ。やっぱり年上の扱いも完璧だね、彼女さんが羨ましい!」

< 138 / 202 >

この作品をシェア

pagetop