小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「彼女以外は同率二位、つまりみんな二番目、拓也君の彼女の二号。誰が言い出したんだか分かんないんですけど、みんなそう呼んでますよ。拓也君の二号多いから」
「……」
――絶句。開いた口が塞がらない。
「今はどうか分かんないんですけど、大学時代とかヤバかったですよ。ミスコン一位の子すら二号止まりで、噂では年上の本命がいるとかどうとか。でも結局二号が量産されてくだけで本カノは謎のままだったんですけどね」
今誰の話をしてるんだっけ。二号って、誰が誰の二号って事になってるんだっけ。
「だから今回すみれさんと拓也君が一緒に居るとこ見たって人が居て、しかも彼女だって言ってたらしくて、これってもしかしてってみんな騒いでたんですけど…あの、でもすみれさんって二号なんですよね?」
私が…二号?拓也君の二号?
「すみれさんってちゃんとした大人だし、真面目だし、キッチリしてるし、なんかあたしらみたいなのと違うっていうか、二号感無いっていうか…って、あ、元二だったのバレましたね、あはは」
…違う、私は二号じゃない。違う、違うよ、笑ってられるあなたとは違う!あなた達とは違う!二番目なんかじゃなくて、ちゃんと私は、私はーー…
「でも元二も多いですからね、遊びでもいいからってヤツとかお互い遊び半分とか。拓也君自身、来るもの拒まず去るもの追わず的な。だから正直想像も出来ないんですよね、拓也君が一人の物とか。だからぶっちゃけ二号って言われた方がしっくりくるようなこないような…って、結局すみれさんは二号って事であってるんですか?」
違う!私はっ、拓也君のーーっ、
「……そうかも、しれないね」