小悪魔的な彼と悲観的な彼女
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お疲れ様と、彼女と挨拶を交わして私は一人、帰路に着いた。
拓也君からはいつもの連絡がなかったから、今日はきっと来ないんだろう。…と、いうことは。
私の足はスタスタと、自然とそこへ向かっていく。そこっていうのはもちろん、最近御用達になりつつあるバーである。
もうほとんど癖になってる気がするけど…でも仕方ないよね、しょうがない。
こんな中、一人でなんて居られる訳が無い。
だからって拓也君には、もっと会いたく無い。
良かった、今日来たいなんて言われたらきっとどうしようも出来なかった。さすがに今日知った事実からは目を逸らせないと思うんだ。拓也君には二号って人が沢山居て、大学生の頃の話とはいえ今でも噂になるくらい拓也君に興味を持ってる人も沢山居て、本当は本命の彼女だってずっと前から居て、だから、だから……あれ?
えっと、拓也君には私の他にもまだ女の人が居る。その人達が二号って人だって今日分かったけど、でも本命の彼女もちゃんと居て、その人とは大学時代から一緒な訳で、それで私と拓也君が出会ったのがつい最近って事だから…
…え、もしかして…
……そういう、事?