小悪魔的な彼と悲観的な彼女
そう、知られたくない。だから一人でこんな所に来てる。
今日までの私は拓也君の彼女としての未来に不安を抱いて、それから逃げるようにここに来てた。でも今日の私は私以外にも相手が居た事、私は彼女では無かった事に衝撃を受け、目の前から彼が居なくならないようになんとか関係を繋げたいと願うようになっている。
自分から未来を断とうとしていた今までと、その未来の事も忘れて細い糸をたぐろうと必死になってる今。
…180度違う悩みだけど、そこに共通する事実がある。
「私はそれでもやっぱり好きで、だから彼に嫌われたくなくて…こんな私を知られたくなくて、だからっ、」
だから、私が悩んでる事に気づかれてないのは正しい事。
間違ってはいない事。だから、
「そうなると、後は私の問題で…」
「自分はどうなりたいのかって?」
「…そうですね。私がどうなりたいのか…です」
それが私達の関係を決めるんだっていう、さっきの彼の言葉の意味は私にもちゃんと理解出来た。だから私は考えなきゃいけない。彼の何になりたいのかを。