小悪魔的な彼と悲観的な彼女


私が…本当の私が、望む事ーー


私は…っ、


「こんばんは、すみれさん」

「…!」


…それは、ちょうど答えが導き出せそうな、そんな瞬間に飛び込んできた声。


「何してるの?もうこんなに遅い時間だよ?」


聞き慣れた、いつも聞いてる彼の声。可愛くて、かっこ良くて、優しくて、だけど少し意地悪な…そんな私の大好きな彼が持つ、彼だけの声。


「一人で飲みたくなる時もあるよね、一人の空間に居られない時とか。分かるよ、僕もそういう事あるからさ。 でも…」


だけど、今日は違う。彼の声で間違い無いけど、いつもの彼と違う。彼は、拓也君はーー


「じゃあ、この人は?」


ーー怒ってる。


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