小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「言っておくけど、僕はずっと本当の事を話してきた。伝えてきた。ずっとそうだった」
それは深く、深く、濃い一色になる。
「でも…信じてくれなかったのは、分かろうとしてくれなかったのは、すみれさん…あなただ」
“結局あなたは僕を信じてくれなかった。ずっと…今日だって”
ーーそして、そっと目を伏せた彼。
まるで露わになったそれを隠すかのように。私から逃れるかのように。
それでも…私には、ちゃんと分かった。
深い悲しみ、その一色に染まる彼の瞳ーー彼の心が。
…なんで?
そんな彼に私は、疑問を抱く。
なんでなの?なんでそんな瞳で私を見るの?
だって…だってさ、
「嘘ついてたのは…君じゃん」