小悪魔的な彼と悲観的な彼女


「なんかこう擽られ…ん?もう分かった?」


あれ?琴乃さん、お顔が先程と違う…?


「もういいよ、しょうがない。そんなにその子の事気に入っちゃったならもうしょうがないよ」

「…へ?」

「とんだプレイボーイだった訳だ、その彼は。可愛さと強引さで恋愛欠乏症の女をまんまとメロメロにさせた訳だ」

「いや、け、欠乏症って…」

「まぁ良いよ、絶望だ絶望だ言って凹まれてるよりはマシでしょ。一応今だけだって分かってるみたいだし」

「……」

「それで捨てられる前に捨ててやれば良いじゃん、ね!そうだよそうそう。区切りつける準備して今楽しんどきなよ、まだ20代なんだしさ。可愛いなら良いよ、もう良いね!」

「……」


そ、そうか…こっちから捨てるって、そういう考え方もある…


…ってあれ、急にまた不安になってきたぞ。

そうだよなぁ、私、20代っていっても最後だし、それが分かってるから余計に絶望的で、こんな事に時間使ってらんないって分かってて…

それなのにそうか…私、そうかぁ…


「…どうしよう、琴乃…」

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