小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「なんてウブなんだ私は…29にもなってなんてウブで愚かなんだ!」
「はいはい。まぁそれがすみれだよね」
「それで今まで失敗してきたっていうのに…!」
「ハマり過ぎちゃってね。尽くしちゃうんだよね」
「完全にそのコースだ…しかも今回は最悪なパターン、年下の男の子パターン。私、まんまとずっぽりハマってしまった訳だ…」
「まぁそれが分かってて向こうもきたんじゃない?」
「そっか、そうだきっと。分かってて向こうも……え?」
ん?今なんて?
「だから、それがもう分かってたんじゃない?向こうにはさ」
「えっ、それって私がハマりやすいって事を?」
「そうだけど…何驚いてんの?」
「いやだってあり得ないよ!だってあの時初対面なんだよ?」
「でも聞いてる感じじゃ完全に手玉に取られてる感あるから慣れてそうだなって思うし、やっぱそういう男はそういうの感じ取るんじゃないの?あ、コイツならいけるみたいな」
「……そうか、あの日私泥酔してたしな…」
「帰り道に会ったのか。そりゃあもう心の闇ダダ漏れだっただろうし付け入りやすかったんじゃないの?」
「!、考えた事も無かった…」