小悪魔的な彼と悲観的な彼女


……ん?


「…え、他の女?」

「だってそんな感じなら他にもいるんじゃない?一人や二人遊び相手が。本気の子からみたらすみれは憎っくき浮気相手になる訳だし…若い子はパワーが有り余ってるからさ、そんな修羅場がいつ待ってるかも分かんないよ?」

「……」


ーー本気じゃない、遊びだ…の、意味。


「だからさ、ちゃんと気をつけなよ」


心配そうに、琴乃から告げられたその言葉。

なんだか色んな新しい言葉に見解、考え方を貰いながら、最後に念を押されるように告げられたそれに、私は身の引き締まるような思いになる。


そうか、本気って一途って事だもんね、本気じゃないっていうのはきっと他にも相手がいて可笑しくないって事なんだ。


なんでそれに気づかなかったんだろう。というか未来の事ばっかり考えてた。このまま続く訳ないし、とか、どうせいつか捨てられるし、とか、先の事ばっか暗く悪く見て、今はこの関係が当たり前で普通に付き合ってる気満々でしかなんだかんだで結局無かった。

でもそうだ。違和感ばっかりのこの出会いに関係。

琴乃の言葉で随分しっくりきた。むしろ今となればそれしかしっくり来ないくらいだ。

私と彼の関係。


彼氏と彼女、だとしても、きっと彼女は私一人じゃない。

そうだ、絶対そうだ。

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